『君の名は。』『劇場版 進撃の巨人』感想。

最近観た映画

君の名は。

黒板の文字がキレイ!
かといって上手すぎもせず、絶妙です。

どこかのペン字の先生に
そのまま書いてもらうのではなく、
段位と級位のあいだくらいの技量で、
「字の上手な学校の先生」という感じが出ていて、
すごく良かったです。

手書き派の私としては大いに燃えました。
こういう細かいところにまで
神経が行きとどいているので
最初から最後まで安心して観ていられました。

それから背景と、その色彩が美しかったです。

今どきは、アニメ映画でもマンガでも、
写真を下敷きにして、それをそのまま
縁取ったような作品が多くあります。

そのほうが手間も人件費もかからないし、
ラクなのでしょうけれど、あえて
苦労の多い道を歩まれる新海誠監督に
これからの日本アニメの光明を見る思いがします。

また、現代社会への肯定感も見てとれました。

ともすれば少子高齢化、貧困化ばかりに
目が行ってしまいがちな今の日本を、
みずみずしい視点でもって
眺めることができるというのも
稀有な才能だと思います。

『劇場版 進撃の巨人』

かつてこれほど少年少女たちが
絶望的な表情を見せる物語があったでしょうか。

この超弩級のマンガを手がけるということは、
アニメーターの方にとっては
貧乏くじのような気がしてなりません。

すごい映画を作っても
「原作に追いついた」と言われるだけですし、
色々と工夫を凝らしたら、こんどは
原作レイプと言う人も出てくるだろうし、
もう何をやっても文句を言われることになります。

で、個人的な感想を言わせていただきますと、
「文句なし!」です。

まず音楽の付け方がよく練られていました。
映像交響詩とでも呼びたくなるほどに、
音と絵がシンクロしています。

マンガ原作との大きな違いは、
巨人が人間を食べるシーンを
抑えめな描写にとどめているところ。

マンガ原作ではもちろん克明に描かれていました。

年齢指定制限をかければ、
もっと過激な描写も可能なのでしょうが、
万人に見てもらう手段として、殺戮シーンを
和らげるというのは大いに有りだと思います。

それから調査兵団の兵士たちと巨人とのバトルシーンも、
今以上に格好良く描けると思うのです。

またそこがアニメーターの腕の見せ所であるにもかかわらず、
あえてぐっとこらえて華美を押さえた演出をしているのも
個人的には支持したいところです。

戦闘シーンをことさらに美化して、
かっこよく描くことによって、
「命を賭けて戦うのはかっこいいことだ」
と誤解してしまう子供たちが
出てくるおそれがないとも限りません。

『進撃の巨人』は決して戦争における勇敢さ、
闘争心を賛美しているものではありません。

戦争の本質は言うまでもなく、
恐ろしく、悲しいものです。

「調査兵団」の少年少女たちを
スーパーヒーローとして描かないところに
作り手の良心を感じました。

それでもなおかつ迫力ある戦闘シーンに
仕上がっているのは本当に素晴らしいと思います。

『君の名は。』『進撃の巨人』という
歴史的作品をリアルタイムで観ることができる
私たちは本当に幸せです。
 

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