『ステキな金縛り』三谷幸喜監督の映画愛がいっぱい。

本日、11月2日は
女優・深田恭子さんの誕生日です。

お祝いに『ステキな金縛り』を
鑑賞しましょう。

フカキョンさんが出演しているとは言っても
ほんのちょびっとだけです。

主演は深津絵里さん、西田敏行さん。
……ということになると思うのですが、
インパクトだけで言うなら、
生瀬勝久さん、阿部寛さん、
そして深田恭子さんです。

英語タイトルが
『Once_in_a_Blue_Moon』
『A_Ghost_of_a_Chance』
と二つあるんですね。

ワンス・イン・ザ・ブルー・ムーン
とは、どう訳せば良いのか……。

のちの宿題にしましょう。

生瀬勝久さんの、もはや鉄板の頭髪ネタ。
阿部寛さんのタップダンス。
この二つだけで元は十分に取れました。

アステアやジーン・ケリーの笑顔は、
我々を夢の世界へと誘ってくれるのに、
どうして日本人の笑顔は、
腹に一物あるように見えてしまうのでしょう。

証人が出廷するまであと2時間。

それをタップダンスで
場をつなごうとすること自体
無理がありまくりです。

あらすじをさわりだけ紹介します。

妻(竹内結子)殺しの容疑をかけられた夫(KAN)の
弁護を引き受けた宝生エミ(深津絵里)。

夫の証言によると、殺害時刻当時は
「しかばね荘で、落ち武者にのしかかられていた」
そうで。

速水弁護士(阿部寛)は
「バカバカしすぎるから却って信憑性がある」
と納得(!)

エミはさっそく旅館に出かけていきます。

 
この旅館夫婦(浅野和之・戸田恵子)がもう爆笑ものです。

ツボにはまりまくりました。
館内で声を出して笑ったのは私だけでしたが。
あー恥ずかしい。

落ち武者(西田敏行)が証言台に立つということで、
法廷シーンは現実からかけ離れたものになるのかなと
ちょっと不安だったのですが、
個人的には、逸脱した感をまったく持ちませんでした。

これを支えているのが、裁判長
(小林隆)の度量の広さだと思います。

この人のキャラを序盤から丹念に描き、
観客を十分納得させたことにより
裁判の説得力が保たれているのでしょう。

特筆すべきなのは美術さんです。
そのこだわりといったら半端なかったですね。

落ち武者・六兵衛の肖像画なんて、
400年前の本物と言われても信じるでしょうね。

しかばね荘のふすまとか、
そこまで作り込むか!という感じでした。

映画の中で、フランク・キャプラ作品をフィーチャーしたりと、
先人へのリスペクトを惜しまない三谷幸喜監督には好感度大です。
本当に映画が好きで好きでたまらないんだな
というのがビシビシと伝わってきました。

ちょっと話はわきへそれますが、
アニメ『ヒカルの碁』などで有名な
西澤晋監督も『ゴルゴ13』の中で、
やはりキャプラ作品のオマージュをされていました。
『スミス都に行く』だったと思います。

最近では山田洋次監督が
『東京家族 妻よ薔薇のように』(2018)で
小津安二郎監督と原節子さんへの
オマージュを捧げていましたね。

夏川結依さんの自転車のシーンです。
まあ、自転車に乗っていないのが丸わかりでしたけれど
いいんです、そんなことは!

というか、タイトルがすでに
『妻よ薔薇のやうに』(1935)
という成瀬巳喜男作品からいただいたものです。

先人へのリスペクトが
形に表われているのを見ると
なぜかうれしくなってしまいます。

同じ[先人]にはちがいないですが、
なぜか落ち武者へのリスペクトをしてやまない生瀬さん。

とにかく強力だったのが、その頭髪です(笑)

なぜ、この人が傍聴席に座っていないんだろう
と、ずーっと不思議でしたが、
考えてみれば、あんなアタマの人に座られた日にゃあ、
目が釘付けになってしまって、
裁判どころじゃなくなっていたでしょう。

場内は爆笑です。
生瀬さんと言えばアレ、ということで
期待感も高まっていたところでした。

それを見越しての満を持しての登場。

このあたりの呼吸は、戯曲を書き続けてきて、
観客がなにを望んでいるのか、
どういうところで笑うのかを熟知している
三谷幸喜監督の経験のなせるわざでしょう。
 
見終わった後、幸せな気分に浸れる一本です。

ある意味『生瀬勝久さんに金縛り』の2時間強でした。
 

 
監督・脚本 :三谷幸喜
キャスト :
深津絵里 西田敏行 阿部寛 竹内結子 浅野忠信 草なぎ剛
中井貴一 市村正親 小日向文世 小林隆 KAN 木下隆行
山本亘 山本耕史 戸田恵子 浅野和之 生瀬勝久 梶原善
阿南健治 近藤芳正 佐藤浩市 深田恭子 篠原涼子 唐沢寿明

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