“AI”が見つめる彼方にあるもの。加藤元浩・著「Q.E.D. iff -証明終了-(15)」より。

加藤元浩先生のマンガ「Q.E.D. iff -証明終了-(15)」と「C.M.B. 森羅博物館の事件目録(43)」が発売されました。(2020年2月17日)
遅ればせながらご紹介させていただきます。

「Q.E.D. iff(15)」「C.M.B.(43)」各話レビュー

Q.E.D. iff -証明終了-(15)

収録されている作品は

その世界

<人がまだ見ることのできない>

の2編です。

今回は<人がまだ見ることのできない>をレビューします。

あらすじ(とちゅうまでネタバレしています!!

204X年。秋葉原。
客に胸を掴まれそうになった“AI”メイドが、客の首を締め上げる。
「AIが人間に危害を加える」という、あってはならない事件が発生。
開発元のフェロー社はすぐに謝罪。賠償金を支払った。
それをいいことに、われもわれもとお金目当てのクレームの嵐が吹き荒れる。
法律事務所は大繁盛。
新人弁護士の水原可奈は大忙し。
行った先で、なんと燈馬想とバッタリ。
(「AI裁判官のとき 世話になった 燈馬想だ」
とモノローグで言っていることから、いつもの「Q.E.D. iff -証明終了-」から続いている近未来世界ではなく、パラレルワールド的な別の世界ということが分かります。“AI裁判官”事件は「Q.E.D. iff -証明終了-」11巻『溺れる鳥』に収録)

※ 「Q.E.D. iff -証明終了-」(現在15巻まで発売中)は「Q.E.D.-証明終了-」(全50巻)の続編にあたる作品です。
iff』のあるなしにご注意を!

だが製造元のフェロー社が過失を認めたのはわずか3件。
しかも充分な調査もしないうちにすぐ慰謝料を支払っている。
なにかを隠しているのではないか。
そう推察した燈馬想(こちらの世界ではシステムエンジニア。ふだんの設定は高校生。可奈ちゃんはクラスメイト)は、水原可奈と共に調査を始める。

問題を起こしたAIを分解してみると、仕様書にはないチップが埋めこまれていた。
フェロー社に問いただすと「待遇が悪かったことに腹を立てた開発者が、会社に対し嫌がらせをしたのではないか」と。
「チップを埋めこんだと思われる開発者はすでに退職した」とのこと。
だが同僚の証言はちがった。「いや、そうではない。彼は殺し屋に消されたのだ」

どちらが本当か。
たしかめるために燈馬くんが会社に揺さぶりをかけてみる。
それが災いして、危うく殺し屋に殺されかかるが、可奈ちゃんのおかげで危機を免れることができた。

捕らえられた殺し屋の話によると、「たしかに暗殺の依頼を受けて、会社に出向いたが、そのときすでにターゲットの開発者はいなかった」

いまどきの殺し屋は、クライエントから信用を得るために、現場の動画も撮っているようだ。
動画をチェックしてみる。
殺し屋が言ったことは本当だった。

  • では、開発者はどこへ消えたのか?
  • 彼がAIにチップを埋めこんだ理由は?
  • なぜフェロー社はすぐに賠償金を支払ったのか?

燈馬くんが、チップの埋めこまれたAIに話しかけてみると、なんとAIが話に応じた!

事件は一気に核心へ──。

。。。感想

まずタイトルが美しいです。

「人がまだ見ることのできない」

このあとに続く言葉が作品のテーマとなっています。

AI知嚢が人間を越えるという「シンギュラリティ」が2045年に起こると言われていますが、そのとき世界はどうなっているのか、想像もつきません。

まさにその時代を描いてみせたのが本エピソード。

AIは人間に対し、従順でいつづけるのか?

それともおろかな人間に愛想を尽かし、暴走し始めるのか?

怖くもあり、その一方でちょっと楽しみでもあります。


C.M.B. 森羅博物館の事件目録(43)

※ リンクをクリックするとレビュー記事に飛びます。


〈加藤元浩先生 関連記事〉

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そしてフィナーレへ──。加藤元浩「C.M.B. 森羅博物館の事件目録<Op.145 C.M.B.殺人事件>」(月マガ2020.01-05)

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「Q.E.D. 証明終了」シリーズ

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