加藤元浩「Q.E.D.iff-証明終了-」<時計塔>(マガジンR2020年3、4号)あらすじ&感想

少年マガジンR 2020年3~4号の二月にわたって連載された「Q.E.D. iff -証明終了-」<時計塔>をレビューします。

まず目についたのが扉絵。

鮮やかなカラー。美しい女性と骸骨の取り合わせもさることながら、アオリ文に驚かされました。

引用させていただくと、

時を刻む塔で鏤まれる陰惨な事件──

」???

こんな漢字、生まれて初めて見ましたよ。

「鏤まれる」=「きざまれる」と読むそうです。

更にビックリしたのが「陰惨」に使われている、見たことのない漢字。(下に画像を貼りました)

ATOKには登録されていません。

テキストに出せなかったので、やむなく扉絵のスクショで代用させていただきます。

漢字「陰惨」の「陰」の時が異体で書かれている画像です。

この漢字も生まれて初めてお目にかかりました。

そしておそらく今後、死ぬまで見ないでしょう。

だってググっても出てこないし、漢字辞典にも載ってなかったんだもん。

アオリのすごいのは漢字だけにとどまりません。

一文字一文字のフォントの大きさを微妙に変えてあったり、位置を少しずらしてあったりと、デザインにとても手がかかっているのです。

コミックス(おそらく『Q.E.D. iff -証明終了-』第16巻に収録されるでしょう)ではアオリ文句はカットされますから、雑誌を購入した読者(あるいはコミックDAYSに登録した人)のためだけに、加藤先生、もしくは編集の方が骨を追ってくださったのですね。

ありがとうございます。

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初月の無料月間が終わっても、継続しようかな‥‥。

それでは途中までのストーリーを追っていきましょう。

あらすじ(前半1/3ほど)

大きな時計塔のある洋館。

1階にオープンした喫茶店が大変な評判を呼んでいます。

もし都心にあったら数千円は取られそうなケーキセットがなんと700円!

すっかりお店のとりこになったわれらが水原可奈(みずはら・かな)ちゃんでしたが、残念なことにお店はほどなく移転してしまいました。

入れ替わりにテナントを借りたのは、起業家の手巻掛男(てまき・かけお)。

ですがこの青年、あまり‥‥というかまったく商才がないもよう。

両親の資産を抵当に入れ、ゲストハウスを始めてみるもうまくいかず。

金貸しの台場啓太(だいば・けいた)に返済を迫られ、殺してしまいます。

悲鳴を聞きつけた人間がすぐに通報したらしく、まもなくパトカーが洋館にかけつけました。

尋問される手巻。

しかし肝腎の死体が見つかりません。

洋館の敷地内をくまなく探し回る警官たち。

警察が駆けつけるまでの僅かな時間の間に、手巻はある『死角』に死体を隠したのです。

いったい彼はどこに、どのように死体を隠したのか?

興味をそそられた可奈ちゃんは、同級生の燈馬想(とうま・そう)くんと共に捜査に乗り出します。

洋館のことを調べていくうちに、今までに何度も殺人事件や失踪事件が起きていることが分かりました。

そしてひんぱんに店舗が入れ替わっていることも。

最初に出てきた喫茶店も、評判が良かったのは当たり前。実質は赤字経営だったのですから。

そして喫茶店の親会社のオーナーと、洋館の持ち主は同一人物でした。

美しき老嬢・鳩谷原子(はとや・はらこ)。

彼女の洋館でたびたび事件が起きるのはなぜか?

店舗の出入りが激しいのは、そうなるように意図的にしむけているのか?

消えた死体との関連は?

天才少年・燈馬想くんが、闇に潜んでいたナゾをすべて白日の下に明らかにします。

。。。感想。。。

の前に死なせてください。

今まで「燈馬想」くんのことを「澄馬想」くんと、誤変換していたみたいです。

てっきり「さんずい」と思っていましたが、正しくは「火へん」の「燈」です。

はあああ~~‥‥、死にたい。

54箇所も間違っていました。あああ‥‥

パソコンがクラッシュして、ATOKの単語登録がぜんぶ消えてしまい、PCを他のに乗り換えて、はじめて気付いた次第です。

要するに、今まで間違った漢字を登録して、ずっと使っていたというわけです。

こうなってくると、壊れてくれたパソコンに感謝しなくてはなりませんね。

加藤元浩先生に大変に失礼なことをしてしまいました。

ほんとうにすみません。

この場を借りて、謹んでお詫び申し上げます。

。。。恐縮ですが、本編のみじかい感想です。

読み終えたとき、静かで、少し淋しさが残るような物語でした。

この独特の余韻は「Q.E.D. iff -証明終了-」でしか味わえないなあとしみじみ思いました。

並行して連載されている「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」の終了がアナウンスされてしまった今、淋しさもひとしおですが、始まりがあれば終わりがあるのは仕方がないことですよね。

これからも加藤元浩先生を応援していきたいと思います。

ところで、ここまで読まれた方、お気づきになりましたか?

上に登場した3人のはみんな「時計」にちなんだ名前を持っていたということを。

本ブログで登場しなかった人達も含め、以下に列挙してみます。

鳩谷原子(はとや・はらこ)資産家【ハト時計】【原子時計】

手巻掛男(てまき・かけお)起業家【手巻き時計】【掛け時計】

台場啓太(だいば・けいた)投資家【ダイバーズ・ウォッチ】【ケータイ】

(以下はブログでは触れなかった登場人物です)

膳舞(ぜんまい)管理人【ゼンマイ】

水野綿(みずの・わた)元警官【水時計】

沖砂彦(おき・すなひこ)画家【置き時計】【砂時計】

鳩谷光(はとや・ひかる)原子の兄【鳩時計】【光時計(実在しない、概念上の時計)】

七夕菊乃(たなばた・きくの)警視庁捜査一課 警部補

さいごの七夕菊乃さんは準レギュラーなので、当てはまらないのですけれども、『菊乃』さんだけに【花時計】ということで──おあとがよろしいようで。

P.S.

出来心でやってしまいました。

鳩谷原子嬢があまりにも美しかったもので、モシャモシャっと模写を‥‥。かさねがさねすいません!

オリジナルはこれより10倍凜々しく、20倍美しいです。

画像は少年マガジンR2020年4号収録、加藤元浩・著「Q.E.D. iff -証明終了-」<時計塔 後編>より、鳩谷原子の若き日の着物姿のバストショットの模写です。

イラストは少年マガジンR2020年4号収録、加藤元浩・著「Q.E.D. iff -証明終了-」<時計塔 後編>より、若き日の鳩谷原子を模写したものです。


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