2010-08

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「片想い」 東野圭吾・著|かつての友はもういない

まずは簡単なあらすじから。 帝都大学のアメフト部OBたちは 年に一度集まることにしている。 年々、参加者が減っていくのは 淋しいけれども致し方ないところ。 その席で決まって話題に上るのは、最後のゲームの「たられば」。 やり玉に挙げられるのは...
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『スリープ』 乾くるみ・著|まーた騙されたわけだが

「ミステリ界のデビッド・カッパーフィールド」はたまた、「一粒で二度美味しい作品を書く男」と一部で噂されている(?)乾くるみの新作。乾先生といえば、物語のラスト一行で一気に世界を反転させてしまうマジックを時々使われるので有名だが、本作品はそういうのじゃなく、読み終わった後からジワワワッととくる感じだった。
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「プラチナデータ」東野圭吾・著|新しさと美しさに満足です

東野圭吾作品がなぜかくも人気があるかというともちろん面白いからに決まっているからだが、もうちょっと細かくいえば、人間という生き物のしょうもなさを肯定的に描いているから、というのも、理由の一つにあるような気がする。「容疑者Xの献身」「白夜行」等を読んだ方ならお分かりいただけるだろう。犯人の愚直なまでの一途な思いも、突き抜けてしまうと、善悪の枠を超え、美しくさえ感じられるときがある。
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『裏窓』カメラの視点に関するトンデモ解釈

内田樹先生の「映画の構造分析」に『裏窓』の視点における考察が述べられていた。 この映画のほとんどのカメラワークが、足を骨折して動けないジェフ(ジェームス・スチュワート)の視点から描かれている、というのは有名な話。 カメラ視点のルールは多...
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ベスト・キッド (2010・アメリカ) 抜群の爽快感。ハリウッドの柔軟性。中国の底力。

無条件で面白い! 驚くほど客が入っていた。面白い映画はクチコミで伝わるものなのか。年齢層は小学生から年配の方まで幅広い。結論からいうと、クライマックスの武道大会が始まる前にすでに滂沱と頬を伝う涙。つまりは堪能させてもらった。名作に数えられることはないかも知れないが、傑作といっていいと思う。
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『スティング』 THE STING 詐欺師はどうも。

詐欺師というやつだけはどうも受けつけない。 観ている間、どうしても二人が不幸になることを 望んでしまう自分がいました。 そんなことを言い出したら 『ルパン三世』も 『万引き家族』も 楽しめないわけですが。 まあ、しょうがないです。 内容に関...

「女落語家の『二つ目』修業」 川柳つくし・著|インタビュー集としても出色の出来

まず、文章が面白い。 それに加え、先輩真打ちへのインタビューが出色の出来。 面子が凄すぎる(春風亭昇太、五明樓玉の輔、立川志の輔、三遊亭円丈、三遊亭白鳥、柳亭市馬、柳家喬太郎、川柳川柳)。 つくしの大成を願ってか、自らの体験を惜しげも...
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『ハウルの動く城』|宮崎駿が提示する新たな価値観と決意

あらすじをサワリだけ紹介すると、 人間と魔術師が共存している世界で、18歳の帽子屋店員ソフィー(倍賞千恵子)は、美少女の心臓を食らうと噂されているハウル (木村拓哉)とひょんなことから関わりを持つ。 その夜、荒れ地の魔女(美輪明宏)の 魔法...
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『もののけ姫』|ジブリの“熱狂”づくりのうまさ。

残念ながらあまり良い印象を持てなかった。理由を3つほど挙げる。まず1つめは「動き」について。主人公のアシタカは、ヤックルというカモシカのような動物を馬代わりに使っている。全力疾走するとき、乗り手の位置が後ろすぎて不自然に感じる。
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『崖の上のポニョ』|生きることの手ざわりを獲得してゆく子供たち

スタッフの方々は、魚ばかり描かされて本当にご苦労様と言いたい。まず気づかされたのは、登場人物たちが丁寧に名前を呼び合うこと。相手の名前を覚えてはじめて関係性が密度の濃いものになってゆく。母子の間でさえ名前で呼び合う。面白いのは、そうすることによって母親がときには、友達になり、姉になり、恋人になったりするのだ。
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『最後の国民作家 宮崎駿』 酒井信・著|ジブリが描く食べ物はなぜ美味しそうに見えるのか

遅れてきた宮崎駿ファンとしては、書籍以外に新聞・雑誌・講演等における彼の発言が読めるのが嬉しい。宮崎駿の描く食べ物はなぜ美味しく見えるのか、その秘密が少し分かったような気がした。よくあるヒーロー物やロボット物では「それを一機造るのに、いったい何百、何千億かかるのか」と思うようなものが、ふんだんに出てきて所狭しと暴れ、町を壊しまくったりする。
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『映画に愛をこめて』 元祖"メタ映画"。トリュフォー版"監督はつらいよ"

今でこそ珍しくなくなったけれど、1973年当時、映画製作の舞台裏を見せるという行為は相当衝撃的だったと思われる。毎晩、夢にうなされるフェラン監督(フランソワ・トリュフォー)になぜか笑ってしまうのだけれど、次から次へと持ちあがるアクシデントに、思わず「がんばれ、監督!」と応援したくなる。黒澤明やスタジオジブリのドキュメンタリー等を観ると「これほどまでに手間をかけていたのか」と、その執念には畏怖の念さえ抱くほど。
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『黒澤明、宮崎駿、北野武 – 日本の三人の演出家』|内角を鋭くえぐるインタビュー集

1993年発行だから、17年前の本ということになる。三人が歓談しているわけではない。それぞれのインタビューを一冊の本にまとめたもの。宮崎駿のそれは「風の帰る場所」に同じものが収録されているので今回は省略。インタビュアーの渋谷陽一は、対象となる人物とあえて戦うスタイルをとっていくことを前書きと後書きで表明している。
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『小津安二郎先生の思い出』 笠智衆・著 |世界が慕う、日本の"顔"

この人ほどいろいろな監督から愛された俳優もいないのではないだろうか。とくに小津安二郎を語る上では欠かすことのできない存在だ。なんと小津作品には二本を除き、ほとんどの作品に出演しているそうだ。とは言え、毎回無条件で出演が決まっていたということでもなく、小津が脚本執筆のためにこもっている別荘まで足を運び、出演約束を取り付けるまで通い続けたということもあったらしい。
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2010年7月の読書&鑑賞メーター

2010年7月の読書メーター&鑑賞メーター。7月はジブリにハマりまくりました。8月もハマり続ける予定です。先月読んだ本の中で一番よかったのは「虫眼とアニ眼」(養老孟司, 宮崎駿・著)養老先生の「情報は変わらない。変わるのは人間のほう」というのには目からウロコでした。映画のベストワンは「バベットの晩餐会」ですが決して断トツというわけではなく「借りぐらしのアリエッティ」や「息もできない」も、とてもよかったです。
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